足漕ぎ発電機を作る

2011年 11月 22日 22:37

(記:荒田 鉄二)


荒田です。今回はかなり軽い話です。私は今、足漕ぎ発電機を作っています。

きっかけは、7月に三重県の鈴鹿市でNPOが主催するエネルギー問題の勉強会に参加したこと でした。3月の東北大震災のこともあり、勉強会後半のフリーディスカッションのなかで、災害時に停電しても携帯電話を充電したり、ラジオが聞けるような発 電機があると安心だという話がでてきました。その時に、足漕ぎ発電機を作ってはどうかと口走ってしまったのです。

私が付き合いのあるNPOの世界では、何かをやろうと提案したら、それは言い出した本人が自分でやるということを意味する場合が多々あります。そして、今回も予想に違わず、私が自分で作ることになりました。(因みに、勉強会には講師として参加していました。)

 
まずは極力自転車を利用しようと考えたのですが、タイヤの横に発電機を押し付ける以前か らあるタイプは効率が悪そうなので、自転車の車輪の中心にあるハブに発電機を組み込んだハブダイナモを使うことにしました。しかし、ハブダイナモは自転車 の前輪に取り付けることを前提に作られており、そのままではギア(スプロケット)を取り付けることができません。そこでディスクブレーキ対応のハブダイナ モを入手し、ディスクローターの取り付け部を利用してギアを取り付けるにしました。
 

 

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写真1

写真2
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写真3

写真4
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写真5

写真1はハブダイナモのディスクローター取り付け部分、写真2はディスクローターの締め付け部品、写真3はディスクローターの替わりに取り付けるアタッチ メント、写真4はアタッチメントに取り付けるギアで、写真5は全てを組み付けたところです。なお、写真3のアタッチメントはボール紙で作った試作品で、本 来はアルミの板で作る予定です。

以上を自転車の後輪の位置に取り付け、チェーンを掛ければ完成と行きたいところなのですが、1つ大きな問題があります。それはペダルを後ろ向きに漕がない と、ハブダイナモが正しい向きに回らないことです。これについては、サドル(自転車の椅子)を反対向きに取り付け、荷台のステーを利用して掴まるところを 取り付けるなどで対応したいと考えています。
ハブダイナモの出力は電圧6Vで3W(0.5A)に過ぎませんが、携帯電話の充電器の出力も5V-0.5A程度なので、携帯の充電は足漕ぎ発電機で十分可能なはずです。完成したらまた報告したいと思うのでご期待ください。

な お、この記事は軽いものですが、鈴鹿市であったエネルギー問題の勉強会は、ピークオイル(石油生産がピークを過ぎて減少局面に向かうこと)を前提として、 エネルギー減耗時代における地域コミュニティーの生き残り方策を考えるという真面目なものであったことを付言しておきたいと思います。