(記:佐藤 伸)
キノコと聞いて一般的に秋を連想する人が多いのではないでしょうか。私も秋のキノコは採ったことはあるけれど春には何があるのだろうという興味と、昨年から続けているスギのバイオマス変換に有用な微生物の探索を兼ねて春のキノコを探しに行ってきました。
4月2日、春らしい陽気な天気に誘われて昨年キノコ調査を行った芦津のスギ林に行ってみました。鳥取市に比べてだいぶ山間部にある芦津では残雪も あって少し肌寒くも感じました。春は春でキノコはきっとあるだろうとは頭の中では思っていたものの、見つけるまでは無駄足になるのではないかと不安もあっ たのですが、ちゃんと生えていたんですよ。冬の厳しい寒さを乗り越えたと思われるようなたくましいキノコもあったりして、フィールドから得られるものは多 いなあと痛感して帰ってきました。取ってきたキノコは胞子を分離して、早速寒天プレートで培養をしています。低温に強いキノコがとれないかなと期待してい ます。
スギに生えていたヒメキクラゲ。
図鑑では食用で、コーヒーゼリーに入れて楽しめるそうです。確かに触感はゼリー様でした。私には食べるには勇気がいります。
スギの枝に生えていたキノコ。なんでしょうか。寒天培地で分離中です。
冬を越したと思われるヒメシロカイメンタケ。
この菌は真夏の時期も生えていたので、外部環境の変化に強いキノコかなと思います。スギの木材腐朽菌(不食)。
寒天プレート上での分離6日目。いろんな菌が生えてきました。