小林先生のブログから、進化心理学の風景を抜粋しました。
(記:小林 朋道)
進化心理学の風景1
最近は少なくなったがレジの人が「1000円からいただきます」という言い方・・正しい日本語か?と話題になった。
これは所有権に敏感なヒトの心理が、「1000円をいただきます」だと1000円すべての所有権がレジの人に移る印象を与えることを避けさせているのだ。
で、「1000円(の中)から」と。
進化心理学の風景2
キキーとブーバー、どちらがどちら?と聞かれるとほぼ100%が左がブーバーと答える。
理由は分からないと言われているが私は次のように考える。
音は外界を知るための重要な手がかり。写真のような物が硬い表面に落ちたらどんな音がするか?
100%の人の判断のほうがbetterな外界認知だ。
進化心理学の風景5
ホモサピエンスが、ウンチの臭いに不快な感覚を感じるのは脳の構造がそうなっているから。
有害菌等が入っているものから遠ざかることは生存に有利。
毒ヘビを含めたヘビを怖がりやすいのも同じ(ヘビ検出神経が知られている)。
どちらも注意関心を引きやすく、それをうまく利用したのがウンチ・ドリル。
進化心理学の風景6
コップに吐いた唾液を「それを飲んで」と言われると、不快な気持ちになる。
今まで口の中にあったのになぜ?”吐く”のはバイ菌などの有毒物に対する防衛反応。
その”吐いたもの”を口に入れるのは生存・繁殖に有害になる可能性がある。感情は適応的なのだ。
進化心理学の風景8
車に乗っていて、危なくない状況で知り合いに出会ったら「よっ!」みたいな感じで手をあげてみよう。
少なくない確率で相手も同じ動作を返してくれるはず。
我々の脳内にはミラーニューロンという神経(系)が存在し、相手の動作の神経の活動を自分の脳内の神経で再現する(筋肉とのつながりはオフにして)。
新しい動きを覚えるイメージトレーニングも、ミラーニューロンが働いている。店でお金を支払う時、「はいっ!」と言ってみたらレジの人はどんな反応をされるだろうか?!