(記:環境学部 藤田恵津子)
袋川の桜は今が満開です。大阪のにぎやかなお花見しか知らなかった私は、鳥取に来て初めて「静かなお花見」を経験しました。昼間もいいですが、夜、ほわんとしたぼんぼりに照らされた桜並木を歩いていると、まるでおとぎ話の世界に迷い込んだようです。
先日、出張帰りの飛行機の中で映画を数本見ました。新作から懐かしい作品までいろいろありましたが、ちょっとそのお話をしたいと思います。
1. Parental Guidance
娘夫婦が不在の間、3人の孫の面倒を見るためにやってきた祖父母は、昔と今の子育て観の違いにビックリです。子どもらしい日常を捨ててバイオリンの オーディションにピリピリしている長女や、不安や緊張からスピーチセラピー(コミュニケーションについて学びながら、より良い自己表現や対話を目ざすも の)に通っている長男、そして、生意気でちょっと風変わりな次男と祖父母は衝突しながらも、それぞれの課題に向き合っていきます。
母娘関係や男の子の自信つけなど子育てのテーマがたくさん取り上げられていますが、全体的にコメディタッチなので、保護者会などで部分的に活用するのもいいかなと思いました。
2.草原の椅子
宮本輝の小説を映画化。妻と離婚した50才の会社員が、親友を見つけたり、好きな女性ができたりする日々の中で、虐待(保護者による子どもへの心理 的・身体的・性的暴力および育児放棄)を受けて育った4歳の男の子を引き取ります。そして、彼は、親友や好きな女性、虐待された子どもと4人で、人生の旅 にシルクロードへと向かいます。
宮本氏の小説は、逆境にあっても未来に向かって生きていこうとする登場人物が魅力的です。また、虐待を受けた子どもが見せる表情や行動などよく調べて作られた作品だと思いました。
3.グッドウィルハンティング
小さい頃に負ったトラウマ(過去のできごとによる心の傷)のため、自分の才能を生かせずに苦しんでいる青年と、最愛の妻を亡くして苦しんでいる心理学者の心の交流がテーマです。
心理を勉強していた頃、授業でよく見ました(笑)。相談に来られる方が毎回あんなにたくさん話すことは(日本人では)そんなにないと思いますが、や りとりは勉強になりました。この映画を見ていて、「グロリアと3人のセラピスト」(カウンセラーの勉強をする人のバイブル的作品)を思い出しました。
春休みもあと少しですが、映画や小説、音楽などをゆっくり楽しむ時間もあるといいですね