地球温暖化問題に取り組む ECOフューチャー鳥取の活動

2014年 12月 22日 17:32

(記:岡崎 誠)

 

毎年12月になると地球温暖化・気候変動の話題が新聞テレビで少しだけ顔を出してきます。環境省から前年度の日本国内の温室効果ガス排出量が公表され、また国連気候変動枠組条約の締約国会議(COP: Conference of the Parties)が定期的に開催されるからです。報道のあらすじは、皆さんご存知のとおりです。「このままで行くと大変なことになる」、「世界の国々が力を合わせて対策を進めるべき」、「日本は先進国の一員として世界の対策をリードしていくべき」といった感じでしょうか。驚くことにもう20年近くこのような状況が続いています。将来への懸念は一向にやわらぐ兆しが見えてきません。それどころか、新しい科学的知見が出れば出るほど、より深刻な悲観的な話になってきています。もちろん、人の活動による地球温暖化・気候変動の進行には科学的な根拠がないという意見も一部ではありますが。

環境問題への対応について歴史的にながめてみますと、対応技術や代替技術が比較的短期に見つかって沈静化したものも少なくありませんが、20年30年にわたって粘り強く対策を進めやっと解決に近づいてきたものもあります。前者の例としては、PCB、ガソリンへの鉛化合物添加、スパイクタイヤ粉じん、水銀入りのマンガン乾電池などでしょうか。後者の代表例としては、ディーゼル自動車による大気汚染問題をあげることができます。1970年代後半、工場・事業場の煙突の規制、ガソリン自動車の規制が一段落し、取り残される形でディーゼル車による大気汚染がクローズアップされました。規制強化の必要性が指摘され続け、関係者の間では、技術開発や新しい規制の枠組みなど可能な限りの対策が進められましたが、環境濃度は一向に改善しないという時期が続きました。(ざっと見て30年くらいでしょうか)

地球温暖化・気候変動の問題は人類の将来にかかわる大きなテーマということなので、あきらめず地道な努力を重ねていくことが必要と思われます。特効薬となる新技術の出現はそれ自体歓迎ですが、それを期待して努力を怠るわけにはいきません。

今年11月に環境省が公表した2013年度の温室効果ガス排出量(速報値)を眺めてみましょう。年間排出量は13億9500万トン(CO2換算)で過去最高となっていました。京都議定書の基準年となっていた1990年度に比べると10.6%の増加です。(ちなみに京都議定書では2012年までに日本は6%減少させるという目標でしたが)内訳を見てみますと、工場などの産業部門からの排出が約35%ですが、私たちの日常生活に関連する排出量もマイカーも含めますと約20%になります。もちろん産業界でも可能な限りの対策が望まれますが、国民一人ひとりもそれなりの努力が求められることとなります。

では、私たちはどうすればよいのでしょうか。既に議論は出尽くされている感があります。しかし、日本の市民の取組が軌道に乗り、順調に進んでいるかといえばそうとも思えません。
ここでは、鳥取環境大学の学生、教員そして地域の熱心な人たちで作ったNPO法人「ECOフューチャーとっとり」についてご紹介させていただきたいと思います。きっかけは、熱心な学生(当時1年生)と地域の人との出会いでした。2010年5月にNPO法人が設立され、大学内をベースに活動が開始されました。そして6月には温対法に基づいて「鳥取県地球温暖化防止活動推進センター」に指定されました。これは地球温暖化対策を市民に呼びかける活動について、鳥取県下のセンターとしての役割も担うというものです。(全国的に見て、大学に拠点を置き、大学生が活動を担っているセンターは極めて珍しい存在です)それ以降、県庁の担当課とも相談しながら一緒になって活動を展開しています。
具体的にどのようなことに取組んでいるか、主な活動状況を列記してみます。
・ちびっ子エコスタート(幼稚園児、保育園児の環境教育)
・夏休み自然エネルギー自由研究inとっとり(小学生高学年対象)
・家庭の省エネ診断
・中小事業所の省エネ診断
・エコサポーターズ(県庁が熱心な市民を推進員として認定)の勉強会
・とっとりエコ検定(問題の作成)
・出前講座、講演会など
詳しい内容は、「ECOフューチャーとっとり(鳥取県地球温暖化防止活動推進センター)」のホームページを見てください。 → http://ecoft.org/index.html



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(夏休み自然エネルギー自由研究)

 

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(ちびっ子エコスタート)


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(エコサポーターズ養成講座)

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