(記:遠藤 由美子)
私は、「ものづくり」を通じて地域や子どもが元気になることを目指して活動をしています。
学内でも、私が関わるプロジェクト研究では、「ダンボールで椅子を創る」「学内を快適にするためのものづくり」など、モノづくりをテーマにして木工室で実際に製作するところまで行っています。
今年度は、私が関わる鳥取木工芸振興会の主催する「積木であそぼう」の学外活動と学生とをつなげ、学生が遊びや玩具について学外での体験や検証を経たうえでのモノづくりに取り組んでいます。
夏休み前には、地産の杉材料について材料学の作野先生のお話を聞き、わらべ館で玩具について学ぶ機会を持ち、いくつかの積み木と遊びに活かせるハコの提案を学生にしてもらいました。
後期になって、木工芸振興会のオリジナル積み木2000個~3000個に及ぶ大量な積み木にこれらの試作品を加えて(賀露保育園)と(いきいき成器保育園)の2園に3回伺いました。(写真4~6)
また、同時に新しい積み木の提案も行っています。(写真7)
木工芸振興会の活動は、地産の杉間伐材の利用の促進と木工芸の振興を目的としています。地域の子どもたちには、身の回りにある森から楽しい玩具ができることを知って育った地域や自然への愛着を高めてもらいたいという思いで、木についてのお話もさせてもらっています。
また、あふれるほどたくさんの積み木でのびのびと遊びを展開してもらうことで、造形的な達成度だけでなく友だちと協力したり工夫したりという情緒を育てる教材としての役割も果たせられるものになると良いと思っています。
制作した試作品が、更に質の向上や遊び方の発展に対する工夫を積んで次の活動を生む役目が果たせ、地元の杉材料の活用の促進と、子どもたちの豊かな育ちにつながることを願っています。
(写真1)
テトリスをモチーフにした立体パズル積み木。
着彩によって形を判別しやすくしています。
(写真2)
複雑な形態によって完成形のイメージが広がる積み木。
ビルなどの、大きな構築物のイメージも膨らませることができます。
(写真3)
遊びに使えるハコのデザイン。動物の顔のモチーフは、子どもたちに親しみを湧かせてくれます。
穴に積み木を入れるあそびは、特に乳幼児が継続的に遊んでくれました。
(写真4)
それぞれの思いで部分を作りながらも、全体で一つの目標をイメージできる。
(写真5)
大量の積み木は、子どもたちの思いも掛けない行動を誘発します。
(写真6)
ハコもキャスターを付けて動きを誘導すると、遊びの幅を広げる道具になります。
(写真7)
ヒモで連結できる積み木。