循環型社会形成実習演習B②

2018年 08月 11日 22:05

(記:戸苅 丈仁)

 

二日目は琵琶湖疎水記念館からスタートです。

二日目のコースは、昨年度4大学連携フィールドワークに引率として参加した際のコースとほぼ同じです。とても良かったので水に関係する部分を抽出して行程を組みました。

 

photo1


まずは概要ビデオの視聴とその後、学芸員の方に館内の資料を詳しく説明していただきました。田邉朔朗は授業でも何回か取り上げましたが、大学の卒業論文のテーマとして琵琶湖疎水を取り上げ、卒業後すぐに工事主任に抜擢されたつわものです。

 

photo2

最も長いトンネルである長等山のトンネルは二本の立坑を掘る工法を採用し、工期短縮に努めたそうです。考えただけでも地下水との戦いは大変だったと思います。

photo3


インクライン


舟運がメインの運輸手段であった時代を見てみたいものです。川や水と、我々の暮らしとの接点も現代とは比べ物にならないくらい多かったことでしょう。

 

その後、四条河原町に移動し、岡崎公園まで高瀬川、鴨川、白川の河川利用を徒歩で調査。いずれの川も観光資源や生活の一部として京都市民や観光客に愛されている感じでした。

 

photo4

高瀬川と高瀬舟


角倉了以による人工河川である高瀬川の舟運は京都の町にはなくてはならないものだったと思います。所々に水位調整の角落しを入れる石がありました。


photo5

鴨川沿いに流れる高瀬川への取水路

 

 

 

photo6

鴨川の川床

 

「鴨川納涼床審査基準」というものがあり、河川法の許可工作物です。河川空間の無秩序な利用は治水面からも景観面からも決してよくありませんが、こうした歴史と伝統を重んじる姿勢はとっても大切だと思います。

 


photo7

 

鴨川は繁華街にも近いし、観光名所にも近い。ものすごい人込みや、建物が密集した中から、突然開けた河川空間が現れます。癒しの効果が倍増する気がします。


こうした現場実習は、座学だけでなく、様々な現場を見て、現場で起こっている問題を聞いて、自分たちが学んでいる学問がどのように現場で活かされているのかを知ることのできる貴重な機会です。社会に出ても「何事も現場を見る」という基本を忘れないでいてほしいものです。
ご協力いただいた神戸建設局東水環境センターの皆様、琵琶湖疎水記念館の皆様、ありがとうございました。