(記:小林 朋道)
暖かい気持ちの良い元旦だった。
私は用事で大学に行ってきた。餌やりと小屋掃除から戻ってくるAさんとNさんに偶然出会った。
その後、私は小屋に行って、(Aさん、Nさんたちが用意した餌を食べていた)ヤギたちに新年の挨拶をした。ほんとうはヤギ語で言いたかったのだが、これまでの私の研究で、ヤギ語には「あけましておめでとう」という言葉はないことが明らかになっていたので、シンプルに「アケオメ!」とだけ言って新年の挨拶に替えようとした。そして新年の記念写真も。
そしたら、後で写真を見て、私はちょっと驚いた。ヤギたちの(少なくともコムギの)目が輝いているではないか(下の写真参照)。
かれらは「アケオメ」の意味が分かったのだろうか。
イヤイヤ、そんなことは考えられない。言うなれば、「アケオメ!」と言った私の心を理解した、と考えたほうが可能性はずっと高い。イヤイヤ、彼らの顔をよく観察すると、「あんたは何を持ってきてくれた?」、あるいは、単に「なんか用?」・・・・。
新年早々、私はヤギたちと深ーーい心のやり取りをして帰ってきたのだった。