令和4年7月29日(金)に「公立鳥取環境大学を支援する会(以下「支援する会」という。)」の定期総会が鳥取県子育て・人材局総合教育推進課 藤田博美 課長及び鳥取市経済観光部 渡邉大輔 次長を来賓に御迎えし、本学の多目的ホールにて開催されました。
総会では、まず支援する会 坂本直 会長の挨拶に始まり、続いて、藤田 課長と渡邉 次長の紹介がありました。その後、坂本 会長の司会進行のもと「令和3年度事業報告並びに同収支決算の監査報告」「令和4年度事業計画(案)並びに同収支予算(案)の審議」「役員改選(案)の審議」が行われ、それぞれ満場一致で承認されました。本学からは、江﨑信芳 理事長兼学長から挨拶、田中洋介 理事兼事務局長から近況報告を行いました。
続いて、学生・教員による活動・研究発表として、環境学部 加藤禎久 准教授から「インドネシア・バリ島での伝統的緑地の総合的機能評価の研究」報告、加藤ゼミの環境学部3年生 浦吉野愛 さんと福田か乃 さんから「前期のゼミ活動について」の発表がありました。
加藤 准教授は、インドネシア・バリ島南部地域の道路沿いに存在する小規模緑地テラジャカン(以下「TJ」という。)の研究等について説明しました。まず、TJの特徴と研究の背景と目的、研究手法等の話しがありました。その後、TJを活用して観光客の増加、地域振興につなげているバンリ県プンリプラン村(バリの州都デンパサール市から北東に約35kmの中山間部(農村部)に位置)でのアンケート調査・植生調査の解説とその結果の考察をおこないました。まとめとして「観光化の影響と私化の影響の双方が村民の意識や価値観を変えつつあること」「観光客を楽しませるためにTJを活用し、そのための草花が増えたが、伝統的な宗教儀礼用途も残っていること」「観光化しているが、TJの維持管理、利用を通じた相互扶助の仕組みが村をひとつにしていること」等を説明しました。最後に、本学の教員がそれぞれの専門分野の研究を推進して、最新の研究を講義や論文の指導に活かすことで、優秀な学生を育て、社会に送り出していることを話して報告を終えました。
浦吉さんと福田さんは、加藤ゼミで前期に行った「ゼミ全体での活動」「学生公開デザインコンペ提出作品」「造園学会全国大会(北海道)への参加」等について説明しました。まず、加藤ゼミの概要として「造園学や景観生態学を中心とし、グリーンインフラや緑化など幅広く学ぶゼミ」との紹介がありました。続いて「ゼミ全体での活動」として、コンペを題材にして練習することによりデザインの基礎を学んだことや加藤ゼミの紹介動画の制作、仁風閣や宝隆院庭園の見学、庭園のスケッチ等の説明がありました。「学生公開デザインコンペ提出作品」の話しでは、短期間での制作や知識があまりない状態で、大変苦労したことが語られました。また、作品のコンセプトに本学が全学で取り組んでいるSDGsの要素を取り入れたこと等を話しました。「造園学会全国大会への参加」の報告では、先のコンペの題材となった道の駅「はなふる」の見学を通して、実際に現地を訪れてデザインすることの重要性を語りました。そして、審査会の聴講、コンペ応募作品の見学、北海道大学での学会聴講、恵庭市のガーデン文化見学等で多くの学びを得たことを嬉しそうに話し発表を終えました。発表後の質疑では、総会出席者から「鳥取市役所旧本庁舎等跡地を緑地公園化する話しがあるが2人の勉強の成果を踏まえて意見を出して欲しい」と要望がありました。それに対して2人は「緑の癒しだけでは無く、防災・減災機能であるとか、周囲の気温を下げる効果であるとか等も含めて考えることが必要」と回答しました。
本学は、支援する会をはじめとするステークホルダーと連携しながらSDGsの17の目標のうちのひとつである「4 質の高い教育をみんなに」に則り、将来地域や国際的に活躍する学生の育成を推進していきます。