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TUESレポート

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【SDGs】宇沢国際学館代表取締役の占部 まり氏による「SDGs基礎」特別講義を開催しました

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令和4年12月17日(土)、本学200講義室にて宇沢国際学館代表取締役で内科医の占部 まり氏による「SDGs基礎」特別講義を開催しました。「SDGsと社会的共通資本を考える」というテーマで、本学の学生153名が聴講しました。

占部氏は、鳥取県米子市出身のノーベル経済学賞に最も近いと称された経済学者の故・宇沢 弘文氏の長女で、宇沢氏が提唱した社会的共通資本と地域医療の課題に関する研究・講演活動をされています。

講義では、まず経済学の中の「制度主義」及び「社会的共通資本」とは何か、についてご説明をいただきました。次に、宇沢氏がなぜ「大切なものをお金にかえないことが豊かな社会につながる=社会的共通資本」を唱えるに至ったのかをお話いただきました。宇沢氏は、鳥取県米子市に生まれ、数学者から経済学者へと転向し、新自由主義の牙城とされたシカゴ大学に赴任、帰国後に日本の高度経済成長の「ひずみ」を目の当たりにし、利潤追求の資本主義の矛盾からその思想を生むきっかけとなったとのことでした。

占部氏は、内科医として地域医療に携わる中、今後医療と教育を次世代に繋げていくために社会的共通資本の概念が必要になること、また地球環境問題から地球の表土を再生していこうという拡張生態系についてもお話していただき、最後に、経済は人間の心があって初めて動き出すもの、経済は人々を豊かにする手段でしかないということを宇沢氏の名言とともに語り、講義を終えられました。

講義を受けた学生からは、社会的共通資本とは、人間的に充実していること、人間の思考を置き去りにしないということに重きを置くことが重要であることや、いかに人間の特性に合ったシステムなのだということが分かったなど、宇沢氏の考えや占部氏のメッセージからたくさんの気づきがあったとの感想が聞かれました。

この特別講義は本学のSDGsの取組みの一環としてサステイナビリティ研究所が主催しました。

講師 占部 まり氏講師 占部 まり氏
聴講する学生ら聴講する学生ら